すきっぷ 第20号 平成 19年 12月
冬に流行る子どもの感染症
十月二十五日、「ぷらっとおゆみ野子育てリラックス館」にて、
おゆみ野で病児保育にも取り組まれている「まなこどもクリニック」の
原木真名先生の講演会がありました。
とても貴重なお話が聞けましたので、ここでご紹介したいと思います。
今年は早いインフルエンザの流行
冬に流行る子どもの病気としてはまずインフルエンザがあげられます。
今年は流行が早く、千葉県内でもすでに学級閉鎖になった小学校があります。
インフルエンザは感染力が強く、非常に早く症状が出ます。
感染した翌日か3日ぐらいで熱が出ます。
インフルエンザのワクチン接種は生後6ヶ月からしか出来ないうえ、
乳児にはあまり効果が無いかもしれないということで、小児科医は心配しています。
インフルエンザは熱が高く、鼻水、咳、頭痛などの症状がでます。
熱もいったん下がって、再びあがることもあります。
インフルエンザの怖いところは、合併症を起こすところです。
予防が第一ですので、家族ぐるみでワクチンを受けることが大切です。
熱性けいれんをおこすことも!
高熱が出るため、熱性けいれんをおこすこともあります。
この時期は小児科医の待合室でも子どもが熱性けいれんをおこすことがよくあります。
熱性けいれんは5分以内でおさまる場合はあまり心配は無いといわれていますが、
自分の子どもがけいれんをおこしている時、
冷静に時計をはかることのできるお母さんは滅多にいません。
子どもがけいれんをおこして、あわてて救急車を呼ぶことは仕方のないことですよね。
心配な脳症
一番心配なのは脳症です。1歳前後がピークで5歳未満の子にみられます。
急激な経過をたどることが多く、タミフルを飲んでも脳症になることがあります。
熱が出た時点で脳症は進行し始めるので、
インフルエンザにかからないことが一番大切です。お父さん、
お母さんやご家族には、ぜひ、インフルエンザの予防接種をしていただきたいと思います。
タミフルの異常行動
タミフルは1歳未満の子には飲ませることができないので、1歳前後の子への使い方が難しいかと思われます。厚生省は十代の子にはタミフルを使わないことにしましたが、異常行動がタミフルのせいかどうかは今でもはっきりしていません。タミフルは10年ぐらい前から大人に使われるようになり、子どもに使い始めたのは5年ぐらい前からです。それ以前からインフルエンザになると暴れたり、包丁を持ち出したなどの事例の報告があり、タミフルが異常行動の原因かどうかはわかっていません。最近では漢方薬の葛根湯なども使われるようになってきています。インフルエンザの検査キットが使われるようになったのは最近のことで、発症から四八時間以内にタミフルを服用することで劇的に直ると思われがちですが、高熱が一日ほど早くさがるという効果しかありません。以前からインフルエンザの治療の基本は安静にするということでした。水分を十分にとらせゆっくりと療養させ、子どもから目を離さないようにしましょう。そしてひどい嘔吐や意識がはっきりしないなどぐったりした時は、夜間でも救急で診察してもらうことをおすすめします。
ノロウィルス、ロタウィルス胃腸炎
そろそろノロウィルスやロタウィルス胃腸炎が流行る時期になってきました。
半日ほどの激しい嘔吐にはじまり、下痢が数日続くというパターンが多いですね。
大変感染力が強く、子どもが吐いたあと、
お母さんが同じ症状になることがよくあります。
子どもがお布団などに吐いた場合、
1週間後でも乾いたお布団からウィルスが空気感染することがあります。
アルコールで拭いても効果はありません。
ハイターに浸して消毒しないといけません。
特別な治療薬は無いので、水分補給がとても大切になります。
吐いている子のケアのポイント
子どもは体が小さく、水分の予備能力が無いので、
脱水症状になりやすく、水分補給はしっかりとしないといけませんね。
水分が不足し、血液が少なくなると腎臓がだめになり、
ショック状態になることがあり、早い時期の対応が必要です。
でも、吐き気が強い時は、飲んでは吐き、飲んでは吐きと繰り返してしまうこともよくありますね。
たくさん飲ませると吐いてしまうので、5分おきに大さじ一杯といった感じで、
少量ずつ、何回も飲ませましょう。
大人用のポカリスウェットは子どもには塩分がうすく、
糖分が濃いので赤ちゃん用のポカリスウェットのほうをおすすめします。
あまり吐き気が強い時は、吐き気止めのお薬を使ってあげたほうが良いかもしれませんね。
水分が取れず、ぐったりしてしまった時には、早めに小児科医を受診しましょう。
BRウィルス感染症
BRウィルスは赤ちゃんにとっては怖い病気で、
6ヶ月未満の赤ちゃんに感染すると重症化することがあります。
ゼイゼイがひどく、呼吸困難になる場合には、入院が必要なこともあります。
鼻水はウィルスの巣なので風邪をひいているお兄ちゃんやお姉ちゃんの鼻水を
拭いたタオルやティッシュで赤ちゃんの鼻を拭くことはけっしてしてはいけません。
赤ちゃんにチュッてすることも我慢してもらいましょう。
鼻水を拭いた手もこまめに洗いましょうね。
●ロタウィルスになると白い便が出ると教わったのですが、ノロウィルスを見分けるには?
◎ノロウィルスになることが大変なのではなく、
脱水症状になるなど子どもの状態がわるくなることが心配なのです。
ロタウィルスでなくても、白いウンチが出ることはあります。
イチゴジャムのようなウンチが出た時は、
腸重積などの重症な病気が疑われるので、
たとえ夜でも嵐でもすぐに病院に連れて行く必要があります。
●脱水症状になっているかどうかの見分け方は?
◎小児科医でも見分けるのは難しいときがあり、
血液検査で分る時もあるが、一日に必要な水分量の目安としては
10キロの子どもで1000cc15キロの子どもで1200ccです。
おしっこがでなくなったりしたら、点滴をしたほうがいいかもしれません。
●脳症が心配ですが予防は?
◎最近では子どもの遺伝子で脳症になりやすいことがわかるという
論文が出されましたが、原因ははっきりしていません。
ポルタレンやアスピリンなどの薬は症状を悪化させるので
子どもには飲ませてはいけません。