こんな時どうする?こどもの事故・けが
あすみが丘で「こどもの森クリニック」を開業されている宇田川淳子先生をお迎えし、「子どもの事故・けがを未然に防ぐための予防と対処法」について、お話を伺いました。
*どんな時に事故が起こるのか?
〇〜五カ月 動かないと思っても活発
転落→ベッド、ソファーから
窒息→うつぶせ寝、物が覆いかぶさる、嘔吐 親の不注意→ベビークーハン(赤ちゃんを運ぶ籠)の運搬時に、両取っ手を掴んでいるつもりが片方しか掴んでなく落とす
うつぶせ寝について
・首がすわる前はやめたほうがよい。
・うつぶせでないと寝ない子は、眠った後に横向き(嘔吐した時に窒息しないよう)にする。
ベッドまわりについて
赤ちゃんはとっさの時に吸うことしかできないので、顔の周りには倒れてくる心配があるぬいぐるみ等は置かない。ふわふわの布団は避ける。
六カ月〜一歳半 どこでも移動、何でも口に
誤飲→たばこ、薬、コイン、おもちゃ、石鹸、ボタン電池
水の事故→お風呂、プール、洗面器、洗濯機
転落→階段、玄関、ソファ
やけど→熱湯、アイロン、炊飯器・食器洗い機の蒸気
物の落下→コンセントを引っ張ってレンジが落ちてくる等
口に物をくわえて転倒→おもちゃ、歯ブラシ、スプーン、おはし
誤飲について
親指と人差し指で○を作り、その輪を通る物は飲み込める。特に直径三p以下の小物に注意が必要。子どもが口に入れても冷静に。子どもはびっくりした拍子に飲み込んでしまうことがあるので、あやしいと思ったらそっと近づいて口の中を確認。
水の事故について
二〜三pの洗面器の水でも溺死してしまう。お座りしたての子は特に注意。急にバランスを崩すので、目を離さない。最近は災害時に備え、風呂に水をはる家が多いが、水をはったままにする時は、確実に風呂場にカギをかける、ふたをする。
やけどについて
子どもがやけどをしても気づかない例が多い。昔は蒸気は熱いので触らないと教えればよかったが、今は加湿器のミストは熱くない物もあるので、子どもも混乱する。二才位になったら教え込む。
口に物を加えて転倒について
綿あめの棒が脳に突き刺さって死亡の事故は周知の事となったが、おはし、歯ブラシで転んでも同じような事故は起きる。食べる時は必ず座らせる、遊び食べはいけない。
一歳半〜四歳 行動範囲が広がり、走れる
転落→階段、公園の遊具、ベランダ、窓
挟まれる→ドア、公園の遊具、おもちゃ
誤飲→薬、粘土、おもちゃ
窒息→ビニール等
鼻、耳に異物→おもちゃ、虫
やけど→テーブルクロスの上の熱湯など
水の事故→お風呂場、水遊び
車の事故→飛び出し、走行、駐車中の車内
転落について
ベランダ、窓のそばには子どもが登れるものは置かない。
ベランダや玄関では子どもが勝手に鍵を閉め、締め出される事があるので注意。保護キャップをつけたり、ドアが閉まらないように何かを挟む工夫が必要。
水の事故について
夕方の七時〜九時の事故が多い。母親が一番忙しい時間ではあるが、目を離さない事。お風呂場などでどうしても子どもを一人にしてしまう時は、歌を歌わせたり、話しかけながら離れる。声が聞こえなくなったら何かが起きたと考えかけつける。
車の事故について
チャイルドシートをしていると死亡は八分の一に減る。バックルが熱くなり、やけどする事も多い。車中に子どもを残すと、熱射病になったりする。ヨーロッパでは、子どもだけを車や自宅に残すのが発見されると、虐待とみなされ警察に通報され、拘留される事がある。
*対処の仕方
誤飲
状況の確認 落ち着いて何をどのくらい飲んだか調べる。
安全の確認 飲んだものが危険なものか?
タバコ
二p以下で、四時間様子を見て変わりなければ大丈夫。
一本で致死量だが、そんなに多く食べられる物ではない。
ニコチン液を飲むと三〇分〜一時間で中毒。薄めるために水を飲ませる。症状として、顔色が悪い、嘔吐を繰り返す、腹痛、下痢、よだれ。空き缶を灰皿代わりにする人は、ジュースの缶だと子どもが飲む可能性があり注意が必要。心配であれば、医療機関に相談。
パチンコ玉、コイン、小さなおもちゃ
鋭い突起等が無ければ、経過観察し、排便を確認。ボタン電池は腐食して胃に穴が開く事があるので危険。緊急手術で摘出。
飴、ゼリー、豆など
気道に引っかかる事がこわい。
おもちでの死亡率は二〜三%、コンニャクゼリーの二百倍から三百倍ある。
三才以下の子にはねばねばしたものは避けた方がよい。
詰まった時は、うつぶせにして、ひざの上に乗せ、背中(肩甲骨の間)を叩く方法や、
指で舌の奥を下に押す方法がある。
くすり
気管支拡張剤、抗精神薬は吐かせる。薬の種類、量を確認し、医療機関へ。
*吐かせてはいけないもの(吐かせると通るだけでやけどをするのに二回も気管にダメージ)
すぐに医療機関へ・・・灯油、シンナー、除光液
水、牛乳で薄めて医療機関へ・・・トイレ洗剤、カビ取り剤、漂白剤、配管洗浄剤
*吐かせるもの(アルカリ、酸の強くないもの)
ワックス、台所洗剤、アルコール、化粧品、薬
石鹸、タバコ本体(ニコチンが溶け出すので水を飲ませてはダメ)
*様子を見るもの
クレヨン、クレパス、粘土、朱肉、口紅、糊
マッチ、植物活力剤、水銀体温計の水銀
やけど
身体の五%以上は病院に行く。
めやす 赤ちゃんの手のひらで一%
赤ちゃんの頭で 二〇%
赤ちゃんの胸で 一〇%
腕一本やけどをしたら医者へ。
衣類は脱がせず、まず冷やす。流水ではなく皮膚が薄い子どもは水につける。冷えてから洋服をハサミで切りそっとはがす
水ぶくれは破かない事。破くと感染の心配が出てくる。
打撲
頭 すぐ泣いて、嘔吐がなければ経過観察。
出血がある時は、清潔なガーゼで止血。
こぶ、内出血は冷やす。
嘔吐、不機嫌な時は医療機関へ。
手足 ゆっくり動かして、痛まなければ経過観察。痛がらなくてもしばらく安静。腫れ、内出血がある時は医療機関へ。
胸・腹 意識状態、呼吸状態の確認。
楽な姿勢で横になる。
急な嘔吐で窒息しないように、顔は横を向けておく。
出血
清潔なハンカチ、ガーゼで傷口を圧迫止血する。
傷口を、心臓より高い位置に保持する。
傷口より心臓に近い部位を躯血する。
口のなかの場合は、概して放って大丈夫。歯の埋没、グラつきがあった場合は、永久歯に影響が出る場合があるので歯科へ。
その他
耳に虫が入った場合→懐中電灯を耳に当て、虫を誘導。ベビーオイルを流し込むのもよい。虫が死んでから取る。鼓膜には影響はない。
鼻の中に異物が入った場合→鼻をかませる。汚い鼻汁や血の混じった鼻汁がでた場合にも異物が入っている可能性があるので、かませる。
とれなければ耳鼻科へ。
のどに魚の骨が引っかかった場合→ご飯の丸のみはいけない。骨を押し込んでしまう可能性がある。自然に取れる場合もあるが、痛がるようであれば耳鼻科へ。
一番大切なのは予防。
子どもの発達や、特徴を理解して
安全な環境作りが重要。